初めてアイドルに出会った日

先週の日曜日、少年ハリウッド26話制作報告上映会に参加した。
あなたは、初めてアイドルを好きになった日のことを覚えていますか?

・・・なんて尋ねたら、「知らないうちに好きになっていた」という人もいれば「アイドル自体好きじゃない」という人まで様々な人がいることだろう。
私自身、小さい頃から「アイドル」という存在を知ってはいたけれど、彼らを好きだ、応援したい、という気持ちにまでなることはなかった。

そんな私も2014年7月、少年ハリウッドに出会う。

少年ハリウッドというコンテンツは小説、舞台、アニメ、リアルアイドルとメディアミックスで展開するアイドルプロジェクト。こう説明すると近年よくある2次元と2.5次元をミックスしたコンテンツ。
http://hollywood.tokyo/

その中の一つであるアニメを通して、私は彼らに出会った。

それはあたかも少年ハリウッドというグループのメンバーがそこに生きた瞬間を切り出したようなアニメーションだった。これまでぼんやりと遠い世界のものとして眺めていたアイドルや芸能界の物語とは違う、様々な境遇の、まだ何物でもない男の子たちが「アイドル」になっていく姿を追うものであった。

ちょっとカッコよかったり、浮世離れしてはいても普通の男の子が「アイドルになるということ」とはどういうことか、ということに26話かけて悩み傷つきながら真摯に向き合っていく。それを彼らと共に味わう感動はとても一言では言い表せない。

 
夢や目標もなく、なんとなく日々を過ごしていたアイドルのことなど何も知らない普通の男子高校生、風見颯ことカケル。
不良グループに属していたが、その行為に満たされない想いを抱えて中退した、甘木生馬ことマッキー。
元子役だったが成長して仕事がなくなり、それでも芸能界で生きていきたいと願う、佐伯希星ことキラ。
初代少年ハリウッドに憧れ、同じようなアイドルになりたいと努力する、施設育ちの富井大樹ことトミー。
世界で活躍するミュージシャンになりたいと歌をつくりながらアイドル活動を行う舞山春輝ことシュンシュン。

 たまたまスカウトされてアイドルになった子と元々プロを目指していた子ではスタートラインから活動への向き合い方が異なっていて、それぞれがどのように「アイドル」を受け入れていくのか、初めから「アイドル」になりたいものばかりではないからこそのおもしろさがある。

私はキャラクターとしてはプロ意識が高く努力家のキラが好きなのだが、アイドル活動をしている彼らの姿をみていると、どうしてもカケルの姿に心奪われてしまう。そのことが自分でも理由がわからなくて不思議だった。
まるでその仕草や表情や言葉に魔法でもかかっているかのよう。
純粋で目の前のものを素直に受け入れていくカケルが目の前の出来事に心を動かされていく瞬間、見ているこちらの心をも動かしていく。

あたかも私たち自身も一緒に体験しているかのように距離がとけ、「アイドル」になっていく。

そうしたらもう、彼らのことを好きにならないわけがない。

 

「アイドルは物語」という言葉は知識としては知っていたけれど、少年ハリウッドに出会うまでは理解できていなかった。
アイドルになる一個人が何と出会い、何に心をひかれ、誰と出会い、どんな過程を経て、どんな気持ちでステージに立つのか。
その過程を、生き方を、ファンと呼ばれる人たちは見ているのだと知った。
それは必ずしも本人の口から語られるわけではなくとも、アイドルは歌で、ダンスで、言葉で、表情で、パフォーマンスのすべてで物語を語っているのだ。
そして見る側も意識するしないに関わらず、その物語を知ることで、それまで何気なく聞いていた曲やダンスが色づいていく。
それはとても不思議で、心地よい体験だった。
その楽しみを一度知ってしまったらもう抜け出せない。
その後、様々なアイドルにハマるようになったけれども、私にその喜びを教えてくれた少年ハリウッドのみんなには今でも特別な想いを抱いている。