宗像ちよこ さん「ごちゃまぜスープ」



この中には、『なんだか悲しい』『あいのうた』『マナブ』という 3つの短編小説が含まれています。


『なんだか悲しい』

これは、淋しいし同時に なんだか悲しいお話です。


ここに出てくる主人公 神山 優美子は、神官や巫女さんたちの家系なのか、最初は "優巫女" と決まっていました。しかし、母みさえ が出生届を出すときに "優美子" と変えてしまいました。

優美子は、エンパス体質という特殊な体質で 感受性が強くなりすぎ、他人の感情をそのままもらってしまうことで困っていたのです。それは職場でも発揮されるのだから、確かに当の本人はたまったものではないでしょう。

あるとき、大好きな作家さんの掲示板を見ていると、おはじき と名乗る女性と出会います。おはじきさんとメールで繋がるようになり、でも掲示板への心無い書き込みで それも途絶え…

無力感を抱えながらも、電車の中でのちょっとしたことで、自分にもできることがあると理解していく。
ただ、おはじきさんへの気持ちを抱えながら…


昔、私にも 他人の気持ちがどんどん飛び込んでくる時期がありました。ただ私の場合は、それで自分の心を閉ざしたり、他人の気持ちをブロックしたことがあります。

他人の気持ちが飛び込んでくると、何かしてあげたくなるし、でも出来ないことだらけで辛いし 悲しくなるのです。

そんな中で、閉ざしたりブロックしたりせず、その体質を受け入れて自分にできることを見つけて行こうとした優美子は素晴らしい女性だなと思いました。




『あいのうた』

遠距離恋愛をしているであろう、カップルの短いお話です。

男性はどちらかわかりませんが、女性の方はきっと 東京か その近辺に住んでいるのでしょう。

短くも、爽やかな お話です。





『マナブ』

それまで勤めていた派遣先の契約が切れて、無職になった タナカ ハナコ(田中 華子?)は 自分の今の状態を あるバンドの曲「無色透明」に引っ掛けて、自分の今までを思い出していた。

特別な努力もしたことがないし、会社で事務をしていても経営状態に気づくこともなかった…

仕事も見つからないまま、失業給付金と貯金で毎日ゴロゴロしていた。朝も起きられないからゴミも捨てられず、シンプルでスッキリしていた部屋はどんどんゴミが溜まっていった。

そんな華子だが、ツイッターで見つけた ひとつの写真で変わっていく。

「学ぶ」は「真似ぶ」だという。素敵だと思う人の人生を真似してみることで、前向きになり 毎日を丁寧に過ごすようになっていった華子。


…この話には、宗像さんのメッセージが込められているように思います。恐らく、もっとも言いたかったのは「毎日をていねいに過ごすことだ」という言葉。

平凡とか 非凡などと 人や自分にレッテルを貼るのではなくて、毎日を大切にていねいに生きて行く。自分か素敵だと思う人のことを少しだけでも真似てみることで、違った世界が見えてくるし、平凡な暮らしの中にも素敵なことはたくさん存在している。

そんな、メッセージが込められた作品だと私は感じました。




トータルで見て…

私がもっとも引っかかった言葉は『マナブ』のところで出てきた「無色透明」という言葉。
使われている意味は違うし、まだ 2冊しか読んでいないので語るには早すぎるのですが、宗像さんは透明感のある お話を書かれる方だなと感じました。

読んでいて「私、こういう小説 好きやぁ」となんども思いました。私に合っているかもしれません。
note.mu でも、 たまに流れてくる投稿を見ていて、何がというわけではないのですが、なんとなく気になっていたんです。

短編を書かれている方なので、読みやすいので、ぜひお勧めします。




宗像ちよこ( https://note.mu/munakatac


「ごちゃまぜスープ」
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