もう一杯だけ飲んで帰ろう。

遅い時間だけど、まだ大将はいるはず。
焼き鳥屋の前まできたら、ちょうど出てきたお客さんが「あれ?遅いよ~」。
ゴメンまたねとお別れして、引き戸を開けたら白衣を脱いだ大将から、もう終わりだよ、と言われた。なるほどショーケースが空になってる。いつも早い時間にくるからこの時間は馴染みがない。
前回来たときはだんだん混んでいく時間だった。忙しくなる前に帰ろうと最後に梅酒を注文したら、「お!あの世へ行っちゃう?」と大将が返してきて。「え?何?極楽?地獄?」とおろおろしていたら「極楽!極楽!」とグラスになみなみ注がれた梅酒はなんと50度。知らなかった。
まずは口から迎えに行く。呑みやすいが50度。イッツ・ア・ストレート。焼き物でてんてこ舞いの大将の代わりに、常連さんが水やらなんやら世話してくれた。あおるとむせる。帰るつもりだったのに。
「焼くものないけど、呑むだけできるぞ」と大将。
うふふ赤星♡大将が自分のつまみを分けてくれた。
鍵をかけた店内で、常連さんと大将と呑む。わたしと大将の掛け合いにゲラゲラ笑う常連さん。常連さんが大将に持ってきたプレッツェルが塩味でビールにぴったり。さすがドイツ。
他所で呑んできたんだろ、とあらぬ疑いをかけられた。ライブハウスで一杯だけだい。「呑み方がいつもと違うからな」と言われて悔しかったのでもう一本飲んでやったぜ。