「頭痛が痛い」の亜種

「頭痛が痛い」
この違和感を覚える表現は、
『xの意味を含む熟語+x』で完成する。
・朝のモーニング
・黒い黒点
・光を遮光する
これは「二重表現」と呼ばれ、
たとえを挙げればキリがないと思う。
先日、この表現の亜種に出くわした。
私の日課は、帰り道の途中に駅前のカフェに寄ることだ。
店内に入ると、ジメジメした外気から一転し、クーラーの効いた快適な空間が私を迎えてくれる。
レジの前に立ち、こんな日にピッタリなものを頼む。
「アイスティーのレモン、お願いします」
「かしこまりました、アイスティーのサイズはどうしますか?」
「Mサイズでお願いします」
「はい、わかりました。
Mサイズのアイスレモンティー、ホットでよろしいですね?」
ん?アイスティーのホット?
「えっと…アイスティーのアイスでお願いします…」
「あっ!アイス、ホットじゃなくてアイスでしたね、失礼いたしました!」
赤面した店員さんが恥ずかし笑いをしながら訂正した。これにつられて自分にもジワジワと笑いが襲いかかってくる。
それからしばらくは、にやけた顔が直らなかった。
二重表現とは言わないものの、これは
「頭痛が痛い」の亜種的な表現ではないだろうか。
「頭痛が痛い」が
『xの意味を含む熟語+x』
だとすれば、
「アイスティーのホット」は
『xの意味を含む熟語+xの対義語』
と表現できるだろう。
この奇妙な式を彼女は知らぬ間に完成させていたのだ。
他にも考えられる。
「半チャーハン、大盛り」と言う表現は
『x/2の意味を2倍』にとらえられる。
我々が普段何気なく用いている「言語」の巧妙さを改めて感じた。
ちなみにアイスティーにレモンがついていなかった。