私と先生

 恩師がとある賞を受賞した。彼女は作家だ。ニュースでも本屋でも、彼女の名前で溢れかえっている。
 彼女は私の元担任だった。特に得意な事もなく、目立つ生徒でもなかった私。そんな私に先生が見出してくれたものがある。
「文才」だ。
 先生は私の作文を褒めてくれた。全校生徒と市のお偉い方達の前で発表する機会をくれた。祖母の事を書いた作文で、友人や名前も知らない方達を感動させられた感覚を、今もずっと忘れられずにいる。
 だから、先生。貴女のせいなのですよ。貴女のせいで、こんなにも文字を綴る事が大好きになったしまったのですよ。どうしてくれるんですか。
 大人になった今現在も、私は文章を書いています。毎日、書いています。
 私、作家になります。無理だと言われても、そんな意見を突き放せるくらい素晴らしい経験を貴女がくれたから。
 だから、貴女のせいです。貴女のお陰です。ありがとう、先生。
 おめでとうございます、先生。