無力

年明けに友人の妻が亡くなった。
その友人は小学生時代からのくされ縁で繋がってる悪友の一人だ。高校時代の大病で高校を中退し、身体に一部後遺症を残しながらも勉学に励み就職を果たし、今や独立して生計を立ててる苦労人なのだが、だからこそ彼が結婚すると聞いた時は、それはもう仲間全員が自分の事のように喜んだもんだった。
実のところ友人はかなり変わったヤツではあったが、結婚相手も負けず劣らず楽しい変わった女性で、その出会いからこれまでのエピソードを聞けば聞くほど度肝を抜かれ、まさに運命の二人が結ばれたのだと言ってよかった。
それから13年。
その運命の人が突然いなくなった。
打ちどころが悪かった、と。
多くの場合怪我はすれども死ぬことは無いはずの事故で、打ちどころが悪かったから、と。
残念でした、と。
これは何なのだろうか?
サイコロを振って決めたかのようにあっさりと。
俺達の運命を左右出来る何者かがいるなら酷いことをしやがると思ったし、生き返らせろよとも願った。
許せないと思った。
責任者出て来いと思った。
でも、その何者かがいたとしてそいつは願い事を叶えてくれたり、信心深いからどうだとか、そんな便利屋さんであるはずもなく、寧ろそんなパワーがあるなら俺の悪行を見知ってて俺をKILLしに来るような気がする。
つーかまぁ…そもそも、そんなのいませんけど。
あの時こうすれば
あれをしなければ
そう言って自分を追い詰める彼に、あまり自分を責めるなという心底つまらない返しをしてしまったが、彼女が死ななければならなかった理由を、自分を責めることで納得を得ようとしているのは分かったし、自分を傷つけてその痛みで正気を保とうとするのは自衛でもあって、少しずつ立ち直るための儀式でもあるから、そこから先は彼の話しを聞くだけにした…
んだけど、その時の無力感。ホントに無力。
でもね。今出来ることは…ただ祈ることぐらい。
そして話しを聞くだけ。
助けて欲しい時には手を差し伸べるだけ。
もどかしいけど。