なみだのうすやき

ちょっと朝から泣きました。
今日は夫が実家の田植えに手伝いに行く予定になっていました。義父母はもうできないので義兄と2人で田植えをします。お昼は義父母が用意してくれますが、話を聞くといつも簡単なようなので、それじゃ身体が保たないなと思い、お茶菓子かお昼の足しになるような物を買ったり、時々作ったりして持たせたりしていました。
今日はご飯を入れてホットケーキみたいなのを焼きました。こちらでは“うすやき”と呼ばれている昔ながらの粉もの。中に入れる物も味も、家庭の味がそれぞれあります。
こんなのです。
見た目は悪いけど、今回は残りご飯、かぼちゃ、人参のすりおろし、りんごのすりおろしを入れて卵と牛乳に砂糖、お味噌も少し入れて焼きました。栄養もあるし、お腹もちもいいから農作業にはいいはずと思って。
「持ってってね。」と言いながら包んでいたら「うーん、少しでいい。そんなにいらない。」と言われました。
「えー、なんで?お昼の代わりにもなるよ。余れば夜食べてもいいし。」
でも夫は黙っています。
「いらない?こういうの嫌い?」
「あれば食べると思うけど。」
「もしかして手作りのものより○屋のおまんじゅうとかのがいいってこと?」
夫は返事をしません。とっさに嘘が言えない人なのです。
「じゃあさ、前に持たせたなめ茸も?炒り豆腐も?甘酒も?いらなかった?」
私もだんだんエスカレートしてきてしまいました。
「そういえば、お礼って言われたことないよね?気に入らなかったってことだね?」
「そんなことはない。」
「受け取った時とか、食べた時とか、何か一言あるでしょ?おやまあ、ありがとよとか、ごちそうさんねとか、お世辞にしても、美味しいわとか。しょっぱすぎるって言ってたよだけでも、それを伝えてくれたらいいんだけど、いつも何も言わないよね?」
「黙って冷蔵庫に入れてきて、忙しくてそのまま言ってくるの忘れることもあるし、向こうも言い忘れてる時もある。」
「でもこの前は次の日も手伝いに行ってタッパー返してもらったよね?その時も一言もなかったよね?」
「忘れてるんだよ。」
「つまり、喜ばれないってことで感想だのお礼以前の問題だね。あなた自身も持ってくのに気が進まないみたいだからもういいわ!」
自分でも意地になってるのがわかりました。包みをほどきました。泣きそうだったのでトイレで鼻をかんで、目薬をさしました。
夫は黙って出かけていきました。
お礼を言ってもらうためにやってるの?
違う。
ご飯やお茶の支度が大変だから少しでも助けになればと思って。それと、多分ろくなご飯になってないから夫のためにも。
(義姉はいるけど義父母と仲が悪く、絶対こちらのご飯は作らないそうなので)
他人の作った物は食べないという人もたまにはいます。私は料理が上手な方ではないし、もともと夫の実家に比べると家は味付けが甘すぎるらしいです。なので、口に合わないことは十分考えられます。
それでも「ありがとう」の一言はあってもよいと思います。気を利かせて実家の代弁をするような夫でもないし、多分本当に口に合わないか、何も思っていないのでしょう。
それでも、それでも、社交辞令であっても「ありがとう」の一言はあってもよいと思います。
以心伝心という言葉がありますが、感謝については口に出して言うことはとても大事だと思います。だから私は家族にもちゃんと「ありがとう」を言うようにしています。
お皿に戻したうすやきは、その後起きてきた娘が「あー、うすやきだ。美味しい!」と言って食べました。
事の顛末を話しながらまた泣いている私によしよしをしてくれながら
「まあ、向こうも一言あってもいいとは確かに思うけど、それでお父さん責めても仕方ないんじゃない?あ、それと私はお母さんのうすやき好きだよ。これ美味しいよ。」
今、これ書きながらうすやきを見て思いだしてまたうるうるしました。
さあ、そろそろ母がデイサービスから帰ってきます。目薬さしてご飯の支度しよう。