先週はものすごく疲れていた。原因は... by まいこ | ShortNote

先週はものすごく疲れていた。原因は当然件の彼のせいだし、さらにそれに起因する寝不足のせいである。わたしは彼に対してかなり腹を立てたが、その怒りのままに彼を失うことが怖くなった私は、彼が数少ない大切な友人であることを半泣きになって伝えた。傷ついているし怒っているにも関わらず、回復した彼から変わらない連絡が来ると、その無邪気さについ微笑んでしまう。我ながら阿呆だ。誰かを慰めるんじゃなくて、慰めてもらう側に回りたい、ものすごく。そして泥のように眠りたい。
着々と距離が縮んでいるのをどうやって食い止めたらいいのか、よくわからない。夜景の見えるレストラン、とかならわかりやすく警戒してしまうが、豚骨ラーメン、と言われるとなんだかまあ良いかな、という気がしてしまう。寺社仏閣の話で盛り上がって、京都に出かけたりする。彼は新選組の結成時について語り、わたしは定朝の仏像について話す。喫茶店のスイーツが美味しくなかったことを正直に言い合う。デートをしている雰囲気は全然ない。貸してもらった本や漫画が面白い。訳あって慌てて出てきてくれた彼のTシャツが、裏表逆になっていたりする。
こないだ、〇〇さんを自転車に乗っけたら、しばらくして後ろで、右足が吊った、てゆーんや。もうちょっとだから頑張ってくださいよーて言ったら、今度は反対の足も吊ったーって、やばいやんな、自転車の後ろで両足吊るって、んなことある?
そんな笑い話を聞いていたから、またしても、まあ良いかな、という気がして自転車の後ろに乗せてもらった。車に乗せてもらうことは多々あれど、自転車って一体何年ぶりだろうか。彼につかまるのはさすがに気が引けて、荷台を握る。彼は背が高く体格がいいので、後ろに座ると前が一切見えない。これだな、きっとこの筋肉質で大きな背中に、女の子は落ちてしまうんだ。でもわたしは最早女の子という年齢ではない。いい年して自転車2人乗りって、いろいろ大丈夫なんだろうか、とちょっと思う。
わたしが自宅を知られるのが怖いという話を彼は意外と覚えていて、それでずっと「家まで送る」とは一言も言わなかった。それに彼は物理的に適切な距離を保っている。一度も触れられていない。肩を叩く、ということすらない。それでラーメンとかだから、つい気が許む。ひょっとしたら、わたしは彼に好意を寄せてもらっている、というこの状況に安心しているのじゃないか、ということを考える。肯定感を得ているのではないか。誰かの気持ちを利用するようなことはしたくない、と思っているのに。
いや、でも、こうして自分ばかりを責めるのはわたしの悪い癖だ。わたしはわたしのために、自分がやりたいことをやっていかなければならない。他人に惑わされずに。