「不摂生はゆるやかな自殺」

昨年12月中旬から今月14日までPixivで連載されていた絵かき「竹尾」さんの体験談「死んで生き返りましたれぽ」は、自営業と根を詰めないと作業が成り立たない絵かきという仕事が生み出した多くの問題と示唆を含む体験談だ。だが、誰しもが簡単に踏み入れてしまう問題でもある。
自営業でなくても、「いつまでもこのペースで仕事ができるのかわからない」「いつまでこの生活が維持できるのか不安」という気持ちは一般的には多くの人が抱く感情だろう。そしてその平常であることを維持したくて無理をする。
維持していることを無理しているのに、それを悟られるのが恥ずかしいと思う。無理をし続け、睡眠が不規則になり、身体が休まらず、体調不良になる。体調が悪いから動けなくなり、外に出なくなり、食欲が落ちて飲み物だけをただ口に運ぶ。
外に出られないから病院にも行かないし行けない。自分がブヨブヨしたゼリーの上に寝ているか立っている気分が収まらず、漠然とした不安と、それに反して安らぎも感じる。
自分も一時期この状況に近かった事がある。付いた病名はあったが、彼女のように命にかかわるものではなかった。だが、自分も認めたくなかったのだ。長年待ち望んでいたチャンスを掴み、その結果がこの今の状況であるという事実を。
荷が勝ちすぎたのか、それとも力量不足か、それは分からない。ただ、動くことができない自分がいる。自己というものと周囲の境界線が曖昧になり、時間の感覚も、呼吸をしていることも、何もかもが不鮮明だった。漠然と恐ろしさだけがあり、動くことができなくなった。
人は無理し続けることはできない。単純な事実だ。
適度なストレスは向上心を産み、日常にハリを与える原動力になる。だが、適度な物も数が増えれば毒になる。
本作で印象深いフレーズが2つある。
「不摂生はゆるやかな自殺」
「なんか…人間に戻った気分です」「いいえ、ずっと人間でしたよ」
人間よ、あなたは人間だ。
無理はいけない。本当に、無理だけはいけないのだ。