力ずくで解決するアレ

年長さんになった娘が、体育教室に通い始めた。
今は鉄棒の逆上がりと、側転、ドッヂボールのルールを教わっている。
レッスン中は他のお母さんたちとともに保護者席で見学しているのだけれど、年少年中さんクラスからレッスンに通っている子たちが当然のように連続逆上がりをぐりんぐりん繰り出しているのを見て圧倒されている。
先生の教え方が上手、苦手意識がつかないうちに運動が好きになる、という前評判どおり、娘も一年後にはあんなふうになれるだろうか。
逆上がりといえば思い出すことがある。
私は幼少期から自他ともに認める運動音痴だったけれど、逆上がりだけはわりと早い段階でできるようになっていた。たしか幼稚園の年長さんの頃にはできていた。
けれど小学校に入った頃、体育の先生からダメ出しを食らう。
「まぁ、できてはいるんだけど…蹴りの勢いが足りずに腕の力で無理矢理身体を持ち上げているよね。女の子は成長期にお尻が大きく重くなるから、その力ずくのやり方ではそのうち回れなくなるよ」と言われたのだ。
私は、走るのも遅いしボールを投げても全然遠くへ跳ばないし跳び箱もダメだしで、おそらく最初から「体育の苦手な子」として認識されていたので、先生はきっと先入観で私の逆上がりを否定しているのに違いない、と、ひねくれて受け止めた。体育の種目では圧倒的に他の子よりもできないことの多い私の、数少ない「できるやつ」なのに、なんで手放しで褒めてくれないんだー!と。
実際、先生は私のフォームを見て私のためを思って正しいアドバイスをしてくれたのであろうが、なんだかすっかり卑屈になってしまったのだ。
幸い、なのか、残念ながらなのか、私は思春期を迎えても保健体育で習ういわゆる「女性らしい身体つき」になることはなく胸も尻もペタンコのままだったので、尻が重くて逆上がりができなくなるということはなかった。
まぁそんな微かに苦い記憶があるので、娘には体育ができないという思いはさせたくない。スポーツ万能の夫から見ると娘はあまり運動神経の良いほうではないようだけれど(デキる人から見ると日常の動作を見ただけでだいたいわかるのだそうである)、今のところ体育教室には楽しそうに通っている。この調子で頑張って得意分野にしてくれたらと願う。
ところで現在、私は産後のエクササイズを怠ったため確実に尻はデカく重くなった。今でも逆上がりができるかどうか、試してみたい。なるべく誰も見ていないところで、こっそりと。