「くまお、エッセイと出会う」の巻

僕が通っていた小学校では、秋頃になると朝の読書タイムというものが毎年導入されていた。その名の通り朝に読書をする時間を設けるというものだ。
たかだか15分ぐらいの時間だったと思うが、僕はその時間が好きではなかった。なぜなら、本が嫌いだったからである。想像力があまりないからか、小さい頃から絵本や漫画は読んでも活字の本は全く読まなかった。読んでも続かず、飽きてしまうのである。そのため、なんで国語の時間でもないのに本を読まねばならんのだとこの読書タイムを大変不服に思ったのである。
しかし、この時間は先生も含め、みんなまじめに本と向き合い、シーンとしているため、自分だけ好き勝手サボるわけにはいかない。そんな中意地でも本を読みたくなかった僕は、図書室から借りた本を開き、文字を読むふりをしながらボーっとして時間の経過を待っていた。本を読むぐらいならそっちの方がマシだと思っていたのである。こっそりと漫画を持ち込んだりしないところに、変な真面目さが伺える。
しかしながら、そんな時間が毎日続くと辛かった。根っからのボケっとした性格の僕でもさすがにずっとボーっとはしていられなかったのだ。
そのため、読書嫌いの僕でも楽しめる本はないものかと思っていたのだ。
そんなある日、親の付き添いで寄った本屋で見つけたのが、さくらももこの『もものかんづめ』であった。
棚に置いてあったのか平積みだったのかは覚えていないが、さくらももこの名前が目に付いたのだ。ろくに有名人の名前を覚えていない僕でも、この人の名前は知っている。日曜夕方に見ているあの『ちびまる子ちゃん』の作者ではないか。
この人の本ならばきっと面白いに違いない。名前だけで僕はそう思い、親に買ってもらったのだ。これがエッセイとの初めての出会いであった。
次の日の朝の読書タイムは、ガラリと過ごし方が変わった。こんなに面白いものがあるのかとどんどんと引き込まれていったのである。面白すぎて読書タイムだけにとどまらず、休み時間も使って読み込み、その日のうちに読み終えた。そして翌日、2周目を読み始めた。読書嫌いだったのが嘘のように変わった。
この出会いがあったお陰で、今のエッセイ好きな自分がある。相変わらず小説や小難しい本は読まないが、エッセイだけは毎日読むようになった。
「事実は小説よりも奇なり」という言葉があるように、日常の中にも面白いことがたくさん潜んでるんだなとエッセイを通して思えるようになった。
このショートノートに出会い、色んな人のエッセイを読ませてもらうのも非常に楽しい。暇さえあればアプリを開き読んでおり、今の生活の糧になっている。
これからもエッセイを読み続けていきたいなと思う。