繋がらないあなた

 最近家のインターネットの工事をした。
もう十年くらいケーブルテレビのインターネットを利用していたのだが、とうとう光ケーブルに切り替えるお願いの連絡が回ってきた。
 これがなかなか手間で家の中のモデムの設置場所の確認と家の中にケーブルを引き込むのに工事が一回入っていた。
外回りの工事は無人の時にやってもらえるのでまだよかったのだが、問題は家の中の作業である。
我が家は日中は私も妻も家を空けているので点検と工事はどちらかが家にいる日にちに限定される。
土日は予定が詰まっていて工事が先延ばしになるので出来れば平日に立ち会ってほしいというのが先方のご希望だった。
 
 妻は人見知りかつ極度の機械オンチなので説明を聞いても一個も理解できないから任せると丸投げをしてきた。
こうなれば仕方がないので私が家にいる日に来てもらうようにした。
 そして最初の点検に来てもらったのが先月の初め、訪問してきたのはケーブルテレビの社員の方で少しふくよかなロバのような風貌のお兄さんだった。
暑いのか緊張しているのか何度もハンカチで汗をぬぐいながら、モデム周辺の点検を始めた。
点検はすぐに終わり作業の同意書にサインを求められた。
そして工事に入りたい日にちを一方的に指定してきたが、こちらにも都合があるので一旦保留にして帰って頂いた。
 その日の夕飯時、妻に工事の立会をお願いしたが作業に二時間ほどかかるという事と、全然知らない人が上がりこんできて作業するのが何か気持ちが悪いという理由で却下された。
 そこでまたしても私が在宅の日に工事の日程を調整してもらった。
それから工事に入ってもらったのが先週の事だった。
おそらく下請けの業者さんだと思うがケーブルテレビの依頼で来ましたとだけ言って上がりこんできた。
私はモデムのある部屋に案内して後はお任せした。
しばらくすると何やら作業をしている音がしはじめた。
その音は離れた部屋からでもよく聞こえる騒がしいものだった。
 時間にして一時間半くらいだろうか、終わりましたと業者さんが言いに来たので何がどう変わったかの説明を一通り受けた。
何でも光ケーブルを利用したモデム用に電源が必要らしくてただでさえタコ足配線のコンセント周りがより一層カオスな状態になっていた。
あれーそんな説明聞いていないなーと思いつつ、工事終了のサインを求められたのでサラサラと書いた。
 その工事からしばらく経つのだが、今の所トラブルの連続である。
まず明らかにインターネットに繋がりにくくなった。
家の中はルーターと中継器で電波を飛ばしているのだが、スマートフォンですらWi-Fiが途切れがちである。
パソコンなど比較的電波を掴みやすい機械でも急にインターネット接続がありませんとエラーメッセージが出てしまいクラウド上にファイルが保存できない状態になってしまう事が多々ある。
タブレットなどは音楽をかけながら作業をしていると曲の途中でプッッと音が止まってしまい、やはりインターネットに接続されていませんと無慈悲な宣告をされてしまうのである。
 今一番最悪なのはここにエッセイを書いている時に下書きで保存しようとしたらエラーメッセージが出て保存できませんでしたと表示される事である。
そうなるとうっかり「閉じる」を押してしまったら未完の大作は永遠に日の目を見ることがない。
まあそんな大げさな話ではないがそれなりの時間をかけて書いた物が消えるのは何とも切ない。
 このままだと色々支障が出るので早々にケーブルテレビの会社に問い合わせをしてみようと思う。
光ケーブルになったら快適ですよーと調子のいいことを言っていたお兄さんに小一時間問い詰めたいところである。
 ここまで今回の記事が詠まれたという事は何とかインターネットの不機嫌をなだめられたという証である。
ああ、またどこかで家に来てもらわないといけないのかぁ、ストレスだわぁ。
便利になるって何なんでしょうね。