人に歴史あり


わたくしが、ブラックフィンガーで、それが弱点だって話は
度々しているけれど



何かに集中すると、肝心のところが抜けてしまうってのも
わたくしの弱点だと思う。

よっしゃ!こうだ!!と確信というか集中して思い込むと
周りが見えなくなって、猪突猛進というか、ね。
で、大事なところを見逃したり、間違ったりしてしまう。

今はどうか知らないけれど
わたくしが学生の頃
家庭科の授業で、スカートを作るってのがあった。

スカートには色々な形があるけれど
生徒は、自分の技術力によって、作る形を選んだ。

ギャザースカート
フレアースカート
ティアードスカート

「作るのに一番簡単なのは、タイトスカートです。」

って、先生が言うから、そういうものかと思って
わたくしは、タイトスカートを選んだ。

なんせ、ミシンを触るのも、その時、初めてだったからさ。

「生地を選ぶ時には、初心者なんだから
高いのはやめましょうね」

はーい。
そういう訳で、わたくしの選んだ生地は、ヘリンボーン「風」の
あくまでも、それ風の、生地。

ミシンを扱うのが上手な生徒は、進行が速い。

時々、そういう生徒の作品が、前に出されて
みんなの驚嘆、歓声を浴びる。

いいなあ~~~
あんな風に作れたら、いいのになあ~~。

まっすぐ縫っているつもりが、あららららーっと斜めにいってしまったり
なんでボビンって絡まるの?詰まるの??壊れたの????

ヘリンボーン風の生地は、目がチカチカして
失敗した糸目を解いていくのに、苦労した。

半分涙目になりながら
何度も何度もやり直して
「遅くてもいい。丁寧にやろう」って、自分に言い聞かせて。

「今日中には、提出ですよ~~!!!!
皆さん、いいですか~~~!?
出来ていない人は、今日は家庭科室開放は5時半までです。
いいですね~~???」

タイムリミットぎっりぎりで
わたくしのスカートは、完成した。

あーーーーーー
出来た!!!

わたくしにも出来た!!!!

暫くして、それぞれのスカートは、先生の評価、点数と共に返された。
独りずつ、前に行って受け取る。

「良くできましたね。このフリルの所とか、ポケットの所とか
細かい作業も、綺麗な仕上がりです。
100点に近いですよ。」

おお~~~~~!

いいなあ~~。
でも、そりゃ、あんなに綺麗にできているんだもの。
当然だよなあ。

「・・・tonchikiさん」

「ハイッ!!!」

ドキドキしながら、前に行く。

「良く頑張りましたね。良く頑張りました。
・・・残念なのは、ファスナーの位置、先生は左側って言ったと思うのですが・・・」

あいや~~~~~~!!!
不味った。

そうだった。

そういえば、左側につけないと、着る時に着にくいとか聞いた気も、する。
先生、そう言っていたような気も、する。

あう~~~~~~。

先生は、優しかった。

「次からは、気をつけましょうね。」

その授業の後
修学旅行の前に、自分のパジャマを作るという授業があった。

「修学旅行は、自分が作ったパジャマを着ますよ!」

ミシンにも随分慣れてきたはずのわたくし。
ものすごく集中して作った。

そうして、今回は、ギリギリではなく、
ちょっと早めに完成した。

えっへん!!!

出来上がったパジャマは

打ち合わせが逆だった。


「・・・・これだと、男物になるわねえ・・・」

先生が、気の毒そうに言う。

わたくしのメンズ着用の歴史は
この時に始まったのだ。

・・・・・ち・く・し・ょーーーーーーーーーーッ!!!!


#マイセルフ