パラサイトを観てきたよ からのオスカー話


「・・・ありがとう。ありがとうございます。
まず最初に、私の才能を温かく迎えいれてくださったアカデミーの皆様・・・本当にありがとうございます。
こうして、この舞台に立たせてくれた、私を支えてくれた皆様・・・団子屋じろべえのじろべえさん・・・貴方の作った蓬団子で私は作られたのです。
貴方の作ったあの蓬団子が・・・」
「・・・一応突っ込ませてもらうけど、さっきから何を言っている訳?」

「オスカーの受賞スピーチの練習。」
「・・・・言うまでもないけど、あーたがあの舞台に立つことはないから!」
「あら。そんなこと判らないじゃないの。
ポン・ジュノ監督だって、まさかああなると思っていなかったでしょうよ。」
「ポン・ジュノ監督はそうでも、あーたは、金輪際あ・り・ま・せ・ん!!!」
「・・・おかずですッ!」
「ずーこですッ!!!」
「2人揃って~~~~」
「映画に耽溺~~♪」
「・・・まあ、そういう訳で、第92回アカデミーは、ポン・ジュノ大会だった訳だけど。」
「凄かったわね。
作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞(旧 外国語映画賞)の4部門で受賞よ~??」
「白いオスカーって揶揄されていたオスカーが黄色くなったなんてこともネットじゃ言われていたけど。」
「や~ね。やっぱりそういうこと言う人いるのね。」
「私は脚本賞とった時に「ひょっとして?」って思ったけど、でもまさかあそこまで行くとは思わなかったわ~。」
「面白い作品だったら、そりゃあね!」
「違う違う。面白い作品とったって、それだけで何とかなる世界じゃないでしょうよ。」
「そうかしら?」
「あーたさ、それじゃ、オリンピックは世界平和のスポーツの祭典だって思う訳?」
「え?」
「お題目と実情は、あれこれ違うのが、大人の世界ってもんじゃない。
その中で、バーンと作品賞取っちゃったから凄いのよ。」
「あーーーー」
「で、パラサイト、作品自体はどうだったの?」
「私も今朝見て来たんだけどさ。」
「あら、観てきたのね。」
「そう。やっぱり、観ないと始まらないじゃない?
で、オスカー効果ってすっごいのね!映画館満席。
朝1番の奴で観たのに。」

「あら。」
「シャッター閉まってる時間から待ってたら、支配人出てきて
「パラサイトですか?」って言うから
「オスカーで背中押されてきました~」って言ったら、
「あ~~、あれ観ちゃうとね~~」って話し込んじゃったわよ。」

「そう考えると、ほんとオスカーって、まだまだバカにできないのね。」
「ってかさあ、やっぱり私は日本人だからさあ~。」
「・・・日本だって、頑張って欲しい、と。」
「そうよ~~。それよね~~。まさしく、それよ~!!!
昨日のオスカーの中継の時、韓国は国をあげて、エンターテイメントに力を入れていたその結果なんだって言っていたじゃない?」
「うんうん。」
「私も最初はさーかの国の映画に対して「あーはいはい。しょせんはハリウッドの亜流」って流れで観ていたけど、マジ、今韓国の映画、面白いことになってるのよ。」
「そうなの?」
「うん。例えばカースタントとかさ、はっきり言ってハリウッドより物凄いことになってると思う。
時系列が判りにくい作品だけど「悪女/AKUJO」なんか観てるとスピード感とか「命惜しくないのか」感とか、ほんとに息のんじゃうから!。」



「うわッ!」

「そんでもって、あの国では南北問題があるでしょ?
若い子には兵役問題があるし。」

「そうなの?」

「あー、そういうこと知らない人も結構多いよね。
日本以上に格差激しいから、学歴社会だし。」
「そうなんだー。」
「韓国映画の凄いところは、そういう問題もバンバン映画にしているっていう所ね。
まあ、ガス抜きって部分もあるかもしれないけど、
それがさ、結構リアルだし「つい最近の事件」とかも、映画になっちゃう訳じゃない?
一級機密とか、さ。
 

「そういうのは、日本なかなか厳しいわね、確かに。」

「いや、日本だって頑張ってる監督だっているわよ。
パラサイトのテーマは日本の万引き家族に通底してるし。
パラサイトだって、そういう問題を踏まえて、だからね。」
「ふ~~ん。」
「なんかさ、そんな国をあげてやってたなんていうと、
「他に輸出するものがないからだ」っていう見方だってできると思うけど」

「あら、厳しい。」
「でも、BTSがビルボードを席捲したり、こうやってポン・ジュノがオスカーでトップとっちゃったり。」

「うんうん。」
「ゲスな言い方すればさー」
「ゲスなのはいつものことだから、気にしないで言ったんさい。」
「お金だってもんのすごく引っ張ってきていると思うのよね。」
「ああ、まあ、ねえ。」
「ということはさー。日本は、何が輸出できているんだっけ?」
「え?えっとー・・・」
「なんか、パッと言い切れないってことはさー日本も COOL JAPANなんてふんぞり返ってる場合じゃないんじゃないかって思う訳よねッ!!」
「どうしたの?何か悪いもんでも食べた??」
「いや、今更かもしれないけどさ、是枝監督のこのメッセージ、読んでみてよ。
http://www.kore-eda.com/message/20151020.html

2015年に書かれたものなんだけどさ。
書かれている日本の内情、文化についての現実は、ここから変わったのかしら。
いいえ!答えはNOよ!!
ナタリーポートマンの胸のごとく、ずーーっと薄いままなのよ!!!」
「ナタリーを引き合いに出すのはやめてあげて!ってか、あーただって彼女の事言えるお胸じゃないじゃないの。」
「・・・とにかく。
今、勢いのある韓国映画、何かとるとは思っていたけど、ここまでとは!
AND、日本よ頑張れ、お願いだから!だわ。」
「・・・それにしても、ポン・ジュノ監督、スピーチ良かったわねえ。」
「あ、ほんとにそうね。
最初は、役者やスタッフを紹介して、なんていうの?「いい仕事するから、使ってやって」的な心使い感じたし、ハイライトは、スコセッシ!!」

「ねー!!!!
受賞スピーチでスコセッシの言葉を引用したら、会場のみんながスコセッシに対してスタンディングオベーション!!!」
「ステキだった!」
「ステキだったわねえ~~。」
「映画愛」
「やるわね、ポンジュノ!」
「おめでとう、ポンジュノ!」

「今回はさ、「フォードVSフェラーリ」も、音で賞とったし」



「あ、そういえば、エミネム!!
カストロみたいな御髭で出て来たけど、あれはずるい。
ずるい登場の仕方だったわね~~」
「あーたずーっとエミネムエミネムって浮かれてたわね。」
「あら、今、再ブームなのよ。
知らなかった??」

「知らないわよ。」



「ホアキンも主演男優賞!」


「スピーチの時、ドキドキしなかった??」
「うん。なんか、もう、台無しにしちゃわないかってハラハラしちゃってさ~~。」
「最後にリバーの名前が出て来た時には」
「みんな、許すわって気になったわよね。」
「うんうん。ってか、何を赦すかって、もうねwww.
おかげでその後の主演女優賞のレニーのスピーチが全く入ってこなかった~~w。」
「彼女、ちょっとなんというか、甘い喋り方するじゃない??
お年の割に。」
「そう?」
「なんかさー一生懸命話していたけど、ぶりっこ臭がそこはかとなく・・・大丈夫かしら。」
「何が」
「折角カムバックしたんだからさあ、愛されて欲しいじゃない??

やっぱりあれよ。レニーはじろべえさんの蓬団子について話したら、もう一枚殻が剥けるってもんじゃなくて??」
「・・・・・・・誰がそれを伝えに行くのよ!」

「で、結局、あーたのパラサイトの感想は??」
「貧すれば鈍す」
「?」
「貧者のプライド」
「???」
「澱のような臭い」
「?????」
「とにかく、ご覧になって!」
「毎回それなのね~~。変わらないわね~~。」
「ダイアン・キートンのファッションのごとく」
「何よそれ」
「頑固に首詰めていたら、それが「スタイル」になるのよ。」
「・・・図々しいにも程がある。」