わたしは本当にSさんが好きなんだろ... by まいこ | ShortNote

わたしは本当にSさんが好きなんだろうか、Mさんの気持ちを利用しているのではないだろうか、このままずるずると過ごしていていいんだろうか…
という悩みに疲れたため、一旦保留することにした。例によってグレーゾーンへと放り込む。後で困るんだろうなあ、という予感はある。収拾がつかなくなった大掃除の、物置に押し込む感覚に似ている。
先日とあるイベントでSさんにお会いしたのだが、Sさんは女性に囲まれており全く話しかける隙がなかった。同席した友人曰くSさんはイケメンで、かつ物腰穏やかだから女性にモテるのも当然と言えば当然である。わたしもそういう分かりやすい優しさに惹かれているだけなのかなあ、と思ったら少し虚しくなった。Sさんは確かに優しいけれど、他人とは一歩線を引く冷たさがある、とわたしは思っている。かと思えば、その後フォローするメールをくれたりして、なぜかこれまでになく優しい。しかしそれを手放しで喜べなくなったのは、確実にMさんへの罪悪感があるからだ。わたしは、Sさんにもたれてかかって、ただ楽をしたいのではないか、と思うことがある。でも、自然に対する接し方がこんなにしっくりくる人もいない。
仕方ない、わたしにはキャパオーバーなのだ、もう考えても答えの出ないことを考えるのは止めよう。
というわけで、わたしは山のことを考えている。そもそも、なぜバリエーション登山がやりたいのか、という問題がある。よくよく考えると、わたしは別に岩稜帯が特別好きなわけではない。登山は旅の一種だと思っているので、スポーツでもないし、スリルも求めていない。それにそもそも高所恐怖症である。じゃあなぜ、というと、わたしはもっと自由に歩きたいのだ、というのが一番しっくりくる。決められた道を、決められた時間で歩く、というのは、自然を楽しむのには理に適っていないように思う。もっと好きなように、好きな場所を歩いてみたい。なのでどちらかというと、里山のキノコ狩りとかの方が、わたしの理想には近い。キノコ狩りくらいの感覚で、高山を歩いてみたいのだ、という気がする。ただそのためには、人工的な道標がない中で、自分の位置を把握できなければいけないし、整備された道がない中で、進んでいかなくてはいけない。
昨日は、先月痛めた膝の調子を見るために、低山をゆっくりハイキングした。13kgを背負って、16kmの行程を歩く。高低差がなければ、ポールがなくてもさして問題にならない。重さを増やしていって、ついでに地図読みの練習をしながら歩けば、ちょうど良いかもしれない。
それに加えて、今年はアイスクライミングに再チャレンジしようかと思っている。時々一緒に山に行く、通称「パリピおじさん」に去年あまりに下手だとダメだしをされたのである。それからボルダリングを始めたから、少しはましになっているはず。Mさんに、その人の話すごく多くない?と指摘されたが、確かにそうだ。まだ20代のときに山小屋で知り合ったその人とは、山仲間では一番付き合いが長い。それというのも、結婚などによって登山を止める友人が多い中で、パリピおじさんは不動の存在なのである。真面目そうなわたしと、長髪髭男のパリピおじさんの取り合わせは異様で、よく遠慮がちに「どういったご関係ですか?」と聞かれる。おじさんは、「親子です」と言って笑う。意外と、こんな関係が長続きするのかもしれない。