彼は本当に小学生みたいで可笑しい。... by まいこ | ShortNote

彼は本当に小学生みたいで可笑しい。先日は、知り合いの小学生と彼の名前を呼び間違えてしまった。「〇〇くんはおれや!」という彼のツッコミが面白くて、次の日になってもわたしは思い出し笑いをしていた。ただ、子どもみたいだからといって全くずるいことがないか、というとそんなことはなく、こないだと少し言っていることが違うな、とか、都合が悪いから黙っているんだな、と感じることがある。そういえば、子どもって結構ずるいことをする生き物だ。
わたしは、彼の元妻に会ったことがある。会ったといっても挨拶をした程度だけれど。すらりと背が高い、一度見たら忘れないような迫力のあるタイプの美人。仕事終わりの彼を迎えに来て、仲良く2人で帰っていった後ろ姿。ここ元嫁と来たわ、ここで一緒に写真撮った、と彼が平気そうに言う。聞いているわたしの方が胸が痛い。今日は嫁と飯行くから、と定時ぴったりに切り上げて帰っていったこと、美人やろ?と自慢していた眼鏡の奥の彼の笑顔。彼はいつも写真だと変な顔しかしないのだが、わたしはふと引いて彼の笑顔を滑り込ませたことがある。後から見直して、ああ、そういえばこういう風に笑うなあ、と思う。大の大人とは思えない、可愛らしい笑顔だ。
手首が痛くてテーピングをしていたら、リストカットしてる人やん、完全にやばいやつや、と言われた。他の人にもそう言って笑われて、わたしも笑った。平気で半そでを着ているのに、わたしの腕の傷は意外と気づかれない。わたしはそういうやばいやつなんですよ、と心の中で言う。彼にはきっと、わたしのような人種の存在はわからない。彼は過去に浮気されたことが何度かあると言うが、わたしにはなんとなくその理由がわかる。彼の喜怒哀楽はとてもはっきりしていて、彼には、女性の細やかな感情の揺れ動きをキャッチすることができないのだ。そこに相手は不満を持つだろうし、だから恋人の不貞にも気付くことができないのだろう。
もし腕の傷に気づいたら彼はどうするんだろう、と思う。それを知ってみたい、と思う自分もいる。それにわたしにはもう一つ隠し事がある。そういったこれまでのことをひっくるめて全て許してもらえたら、どんなに嬉しいだろう、と思う。でもわたしはそんなことはしない。誰かが許してくれるかどうか、ということを、自分の指標にしてはいけない。わたしが自分のことをわかっていれば、それでいいのだ。