心細しや、台風

初めて聞くJアラートの音に何が鳴っているのかと音の出所を探し回った。同時に外からは防災無線が流れ、NHKから自分の街がレベル4の避難勧告が出ている、とアナウンサーが伝えている。
朝、電車がまだ動いているうちにと夫を駅まで車で送ったが、その時の雨の降りかたも私の胸を不安でいっぱいにした。
しばらくして夫から「なんとか新幹線に乗れたよ」とLINEがくるまで、ずっと緊張がとけなかった。
この調子で降り続き、さらに強さを増すというのだからこれは只事ではない。しかし、だからといってもうやれる事もない。
夕方以降にピークが来るならば、夕飯時に停電になるかもしれない。今のうちに米を炊いて、おにぎりいっぱい作っておこうか。朝空っぽになった炊飯器を洗い、ご飯を五合炊いた。炊きたての米を握ってヤケドする。初歩的なミスである。
時折「何の音!?」と驚くぐらい雨の音が強くなる。ずっと夕暮れのように暗くて気分もしょんぼりだ。巨大な低気圧のせいで自律神経が引っ張られ、猛烈な眠気にも襲われる。
家の中は湿っぽい空気がギュッと詰まっていて圧迫感がひどい。あぁ、ここからが長いなぁ…とやる事がなくて憂鬱だが、意味もなくうろうろするしかない。
子どもらも退屈してため息をついている。
そうだ、やる事ないなら今のうちにお風呂入っちゃえば?という事で風呂を沸かし気分転換だ。テレビも同じことを言っていると分かってても、チャンネルを変えることができない。悪いね、みんな。でも怖いんだもん。
また雨足が強まってきた。
……
車に洗車液をかけにいきたい衝動を今必死に抑えている。