込めたものと込めてないもの

大学入学で上京して、3カ所目に住んだのは東中野のアパート。
社会人になり仕事の辛さや面白さに悶絶しながら東京に暮らすうち、ホッとする友人がたくさんできて、地元に帰りたい気持ちも薄らいだ。根無し感は消えないけど、一番長く住んだ東中野にしっくりときはじめていた。
多分それは、お好み焼きのおかげでもある。
歩いて15分ほどの中井という街で
友達に紹介された鉄板焼きの店「丸助」。
ニコニコな丸さんが作る、ふわふわのお好み焼きを初めて食べてわかった。
「世の中の食べ物って、魂を込めた味とそれ以外!」と。
丸さんはいつも「おいしくなれ〜、みんなお仕事ご苦労様〜」と心をこめてお好み焼きを焼く。ヘトヘトで店に行っても、いつもお店は楽しそうな常連さんで賑わっていて、東中野へ帰る真夜中の道が楽しかった。
丸助は次のステップのために閉店したけど、わたしがふんばりきれない時こそ支えてくれた、大事な思い出の味。