名前と顔が知られることの怖さ

hagexさんの事件は衝撃的でした。ネット民を長く続けていて、彼の文章を読んだことのない人はまずいないと思います。面白い書きっぷり、皮肉っぽくも真実を衝いていて、こういう書き手が存在するんだなあと思って拝読していました。
あの事件は、女性の地下アイドルが殺されたのと同じことが男性に起きたものだと受け止めています。女性のネット上での書き手は身バレ、顔バレを恐れている人が多いのですが、それがなぜかというと、現実問題として「身が危ない」からです。
そして、こういう恐怖は従来、女性だけが主に感じていました。ところがhagexさんの事件で、女性だけではなく男性であっても、ネット上の有名人が世間に顔をさらすときには相当な身の危険がありうるということがわかってきてしまった、と思っています。
有名であることの怖さの一つは、不特定多数の人に顔や名前を知られることで、その不特定多数の中に必ず一定数存在するわけのわからない人からのリアルな襲撃にさらされる、ということです。タレントが「プロダクション」という場慣れした組織によって管理されている理由は、別に日々のスケジュール管理や生活指導や仕事を取ったり金銭管理したりという意味だけではなく、文字通り「身の保護」「身辺警備」という意味合いもあると思っています。それをやるためにもプロダクションは存在する。
だから、そういうプロダクションの管理が薄い地下アイドルは怖いし、ネット上の個人アルファブロガー、ネット上の、特定の組織に属していない有名人も怖い状況にあると思っています。プロダクションなどによるセオリー立った保護が行き届かないわりに、ネット上などで「どこでこの人に会えるか」が推測できてしまう、わかってしまう。あるいはそれを公表しなければ商売にはなかなかならない、という現実もある。魅力的な人であればあるほど距離感の取れない奇妙な人からの攻撃にさらされる確率が上がりますから、なんらかの形で守られた人であっても相当なリスクを背負うことになると思っているのです。
そして、従来はそういうリスクを負うのはほぼ、体の小さな女性のほうでした。だから、ネット上のアルファブロガーなど有名な人で女性であると推測される人で、顔をさらして活動している人は本当に少なく、はあちゅうさんなどは、勇気あるなあ危ないなあと思っていたのです。でも最近ご結婚されたということで、そこは良かったなあと、他人様のことながら思っていました。家の前でわけのわからない人が立っていて、わけのわからない要求をしてきたりする恐怖ってあるんですが、ダンナさんがいるという事実が周知されれば多少の抑止力は期待できますし。
hagexさんの事件は、女性だけではなく男性であっても「名前が知られること」「顔が知られること」がもはや大きなリスクという時代になったんだ、そういうことを示す象徴的な事件だったんだと思っているのです。
最後になりましたが、hagexさんに心から哀悼の意を表します。