冬の瓜、と書いて冬瓜



「冬の瓜」と書いて「冬瓜(とうがん)」。もしかすると関東の方にはあまり馴染みがないかもしれない。


冬瓜という名前なのに、なぜか出回るのは夏で、夏野菜にカテゴライズされる不思議な野菜だ。


一般的な食べ方としてはまず皮をむき、桜海老や白だしなんかと煮る。煮えた冬瓜をキュッと冷蔵庫で冷やし、よく味が「しゅんでる」冬瓜をだしごといただく……というもの。


夏野菜なだけあり、ひんやりした一品が暑い夏にたまらなく合うのだ。味としては、大根やカブよりももう少し淡白で繊細な感じだろうか。


そんな冬瓜の煮物を、初めて祖父母の家で食べた。野菜嫌いな自分だが、祖父母に勧められて食べてみるとこれがまあ美味しい。


当時、7歳だったか、祖父母に可愛いと思われたい盛りの自分は「この煮物、おいしいなあ!」と、自分の持てる限りのリアクションを上げて喜んで見せたのを覚えている。


策略にはまって、というのは言い過ぎたけど、そうかそんなにうまかったか、と祖父母は翌日になっても冬瓜の煮物を作ってくれた。さらに家族ネットワークで母にまでその情報は伝わり、祖父母の家から帰ったあとも冬瓜の煮物を作ってもらったのだから、なんというかありがたい。冬瓜を食べるたび、家族の愛情を思い出して照れ臭くなる。