“キチク系”にハマる 今日は急に肌... by 074m1ku | ShortNote

“キチク系”にハマる
今日は急に肌寒くなって、久々にしとしとと雨も降っていた。13日の金曜日。
8月の半ば、レイトショーで観た『ダイナー』の原作を、やっと今日読みきった。
良かった。
映画から入ったので、蜷川実花の色彩豊かで妖しい世界観をイメージしながら読んだ。いかつめの藤原竜也でボンベロを脳内再生させると、それはもうカッコいい。
原作・平山夢明の小説を、9月に入ってから4冊は読んだ。『デブを捨てに』『暗くて静かでロックな娘(チャンネー)』『独白するユニバーサル横メルカトル図法』そして『ダイナー』。タイトルから惹き込まれる。
活字を読むのは久々だったけど、これがスルスル読めてしまう。内容は鬼畜系…ほとんどが残酷で惨い、下品で救いようのないような状況。殺人拷問虐待、読んでいてウッと目を覆いたくなる、痛ましい描写の数々。
しかしそれでいて、並ぶ言葉の端々にただ「グロい」だけでは終わらない何かが滲んでいる。ドロにまみれた汚物の中に、何故か「キレイ」を見つけてしまうような。
その瞬間が堪らなく、読んだあと、爽やかな気分にさせられたりする。ずるいと思う。
私はホラーとかグロ系は得意ではないが、この人の文章には妙に取り憑かれてハマってしまった。言い回しが癖になるし、ゾクゾクする。出てくる人達はゲス極まりないろくでなしばかりなのに、その背景にあるものを辿ると切なくなったり。ユーモアとほんのちょっとの可愛らしさ…愛嬌があったり。
はあ。こうやって余韻に浸ってると、本ってやっぱりすごいと思う。豊かな日本語と、あと自分の想像力さえあれば、何でも美しい世界を見ることが出来る。
そして、こんな世界を創り上げる作家さん達を心から尊敬する。
ダイナーの最後のことば。
『人は自分に合った靴を履くべきだと思う。押しつけられた靴ではなく、自分で探して納得した靴を。
そうすれば驚くほど遠くまで歩くことができる。』
“鬼畜”なんて言葉1つでカテゴライズするには、あまりにも勿体ない。