だめだ、わたしはこんなにだめになっ... by まいこ | ShortNote

だめだ、わたしはこんなにだめになっていたのか、と思う。
MさんのSNSの写真が更新されている。後ろ姿が映っているということは、誰かが撮った写真だということだ。先日走りに行くと言っていたけど、てっきり1人なのだと思っていた。誰と?どうして言ってくれなかったの?という理不尽な思いが、むくむくと心に立ち込める。
ああ、嫌だ。こんなことをいちいち考えている自分が嫌だ。だいたい、この疑問の回答を聞いたとしても、いくらでも嘘はつける。疑いにはきりがないのだから、疑いを抱く時点ですでに詰んでいるのだ。信頼できる人なのかどうか、わたしはMさんを見定めようとしている。そうやって品評者に回っている自分が嫌だ。そういうことじゃないだろう、と自分で思う。信頼できるかどうかよりまず先に、わたしが彼を好きかどうか、という方が大事なのだ。全てはそれからじゃないのか。
Mさんは頻繁に率直に、気持ちを伝えてくる。それは一種の刷り込み行為で、言葉には何も意味がないから真に受けてはいけないのだ、とわたしは思う。言葉はいくらでも偽れる。そして偽りの言葉でも人の心は動かせる。その言葉を発する本人ですら、自分の言葉に騙されていることもある。だから気をつけなければいけないのだ。
わたしがだめになったのは前回の恋人のせいだ、と憎々しく思う。彼と別れるのは、それほど辛いことじゃなかった。わたしは比較的すぐに回復した。でも、何を信じたらいいのかよくわからなくなった。彼は人に傷つけられる辛さを知っていたし親切心を持ち優しく誠実に思えた。でもそうじゃなかった。わたしに対する彼の気持ちが冷めていたのなら、まだ理解できたかもしれない。わたしに示す言葉や態度は、Mさんも元恋人もほとんど変わらない。残念なことではあるが、浮気なんてごくありふれた出来事でもある。だからそういう目に合った人たちが、その後どうやって他人に心を開いていくのか、よくわからない。時間は十分経ったと思う。わたしにはリハビリが必要なのかもしれない。
Mさんは真っ直ぐに走ってくる。でもMさんが本当はどういう人なのか、そんなことはわたしには関係ない、とわたしは自分に言い聞かせる。わたしがやりたいことは何なのか、一番大事なのはわたしの気持ちなのだ。