双子の妹

夜中だから書いてしまおうと。
私には双子の妹がいる。名前はるり。私達は一卵性双生児だ。
幼い頃は何もかも同じだった。髪型も洋服も、習い事も。
そんな状況に嫌気がさしたのだろう。るりは私との違いを欲しがった。お揃いだった短い髪を伸ばし始めた。私が青色が好きだと答えるとるりはピンク色が好きだと答える。
そんなある日、私とるりは些細なことで喧嘩をした。口論がエスカレートすると、るりはキッチンからナイフを持ってきて私を追いかけた。この世から私を消したくなったのだろう。「るこさえいなくなれば。」と涙ながらに呟いて、私の心臓をめがけて背中からナイフを刺した。
激痛が走った。
それでも私は死ななかった。
それからも何度もるりは私をこの世から消そうとした。私は怒るるりを追いかけて、車に轢かれたこともあるし、るりに家の2階窓や階段から突き落とされたこともある。それでも死ななかった。
るりは私という呪いから解き放たれるために、成人してから家を出た。そして彼氏と同棲することになった。2人は結婚するだろう、そう思っていたが、上手くいかずに別れることになりそうだ。
仕事を辞め、行く宛の無くなったるりが家に戻ってくる。るりと2人で使っていた部屋は、今は私の部屋になっていた。
母にるりからLINEがきた。
私の部屋を空けといてください。るこの物は捨てさせてください。
るりが帰ってきたら、懲りずに私を消そうとするだろう。
私はその日がまたやって来るのを考えるとなかなか眠れないのだ。
私はどうしてこの世から消えないのだろう。
るりの行く末を案じすぎただろうか。
真っ暗な部屋で携帯をいじる。
指に画面が透けて白く光っている。
るりが幸せになるまで私は消えないのだろう。きっと。
矛盾だらけのこの世にまだすがりついている。
るりに消されるなら本望だ。