愛を忘れたくないから

最近ちょっと悲しいことがありまして。
詳しくは書かないけど、何か今までのやる気全部無くなっちゃって。それまで情熱を注いでいたものがありました。
お菓子を美味しく作ること。
そして上手に撮影すること。
愛だと思うんですよね、美味しく食べるというのは。
美しい味と書いて美味しいだなんて、素晴らしい言葉です。おいしいものに対する素晴らしい敬意。
だから、作るなら美味しく。素材に対するリスペクトを忘れたくない。
出来上がりは、美しく残したい。
勿体ない、長らく味わいたいと思いつつ、鮮度や出来上がったタイミングを考慮するならば美味しいうちに食べ切ってしまうというのも愛だと思うのです。
だから、作ったらすぐ食べ切る。ただ、その姿は残しておきたいのです。
できれば美しく。
いつも女性のモデルだと思って撮影しています。
一番色っぽく、可愛らしいシーンを撮りたい。そうすると見返した時に誇らしい気持ちになるわけです。
ここまできたら、料理の学校通って調理師免許でも取ろうか!とすら考えました。が、やめました。
私は自分の今の仕事が好きです。それから、敬愛する俳優の山崎努さんが、丸谷才一さんの『思考のレッスン』の一節を引いて、以下のように書いていたのを読んだからです。
-シャーロック・ホームズはいつも警視総監を出し抜いて事件を解決する名探偵だ。なぜホームズがそんなに優れているのか。それは彼がアマチュアであるから。探偵を生業としていない素人であるからだ。アマチュアには警視総監のようなプロの技術、既成の考え方がない。だからそれにとらわれない自由な発想ができる。常にゼロの状態から考察するから事物がよく見えてくるのだ-「初心忘るべからず」というが、僕はいつまでもアマチュアの心を持っていたいと思う。
沖田修一ほか(2018)『モリカズさんと私』文藝春秋, pp.40. より
私は、何になりたいというよりも、お菓子や料理を美しく、個性的に作り続けたいというだけです。ならば今のままでもまぁいいかなと思ったりして。生意気かもしれませんが。
ただ最近は心がポッキリ折れてしまっていたので、日々の暮らしで食べる料理を作るので精一杯でした。お菓子なんてとんでもない。
でも私はクリスマスが好きです。クリスマスの曲を夏に散歩しながら聞くのが好き。恥ずかしながら、子どもの頃のあの気持ちが今もあるのです。待ち遠しいという気持ちが、心地よいのです。
クリスマスにはシュトーレンを作っていました。今年は無理かなと思いましたが、私はお菓子を愛してる。負けるものか。
重い腰を上げて、無理矢理にでも体を動かし、材料を計る、捏ねる。
ええいと作ったシュトーレン1kg!
食べる頃には、きっと回復しているでしょう。
また来年も、たくさんのお菓子や料理に出会えますようにと祈りを込めて。
甘いものや美味しいものを食べると元気でますもんね!