収集

やりもしないポケモンカードを集めている。
子供のころの遊び道具の一つとして、デュエルマスターズというカードゲームが仲間内で流行ったことから、カードゲームは大変に身近なものだった。レアカードを欲しがり、最強のデッキを作るために試行錯誤し、新しいカードが発売されれば小遣いを叩いて買い求め、時には誰かの親を巻き込んで地域の大会に行った。小学生時代の思い出として未だに強く残る、多感な時期を共に生きた戦友である。
カードゲームをやってたことが、大人になってから何か役に立った経験は無いが、一度とあるレアカード欲しさに金銭関係で大失敗した経験のお陰で、いまだにソシャゲに課金するのは避けている。『超竜バジュラ』と言えば、私と同年代のプレイヤーはおそらく分かるはずだ。ソシャゲ内のカード欲しさに数万を容易に融かす人をネットで見ると、子供のころ学べてよかったなと本気で思うのだ。曲がりなりにも財力の違う今ハマったら多分死んでたと思う。
そんな私だが、少し前からポケモンカードを集めだした。
別にポケモンカードゲームを実際にプレイするわけでもない。ルールもだいぶ古いものしか知らない。レアカードの市場価値が分かっているわけでもない。ただ単に集めている。レアカードはスリーブで保護してファイルに保管している。その中にもしかしたらそこそこ高額なカードがあるかもしれないが、今のところ自身の持つカードの価値は分かっていない。
集める、と言っても今手に入るものをすべてコンプリートしてやるぜ、とか、そういうYoutuberみたいなセレブな心持なわけではなく、コンビニ等に寄ったときについでに運試し感覚で買ってみる、ということを繰り返し、ちょこちょこ集めている。
私は昔からポケモンというコンテンツが好きだ。
ポケモンと共に大きくなってきたと言っても過言ではない。
大人になった今でもゲームは新作が出るたびにチェックするし、映画もなんだかんだ観に行っている。一番最初に触ったゲームはポケモン赤・緑で、今までの人生で唯一プレイ時間カンストまでやりこんだゲームはポケモンルビーである。私の小学生時代を構成した、カードゲーム以外のコンテンツと言えばこれである。あとスマブラ。大体任天堂。
グッズもたくさん持っている。一番くじも新しいのが出るたびに毎回せっせと引いている。いい大人が景品のデデンネの皿を貰ってアヘアヘよだれを垂らしている絵なんて誰にも見せたくない。
集め始めたきっかけは、少し前、遠出した時に寄った大きめの書店で、ポケモンカードのイラスト集を買ったからである。表紙が大変にカッコよくて、殆ど衝動買いだった。レジにて告げられた値段に多少躊躇の心が芽生えたのは否定しないが、それでも収録されていた数々のイラストの素晴らしさを観たら、まあその程度の散財なんて屁だね、屁。
そんなこんなで、ただイラストの鑑賞のためだけにカードの収集を続けている。買った後に少し後悔が後を引くのは幼き頃のトラウマだろうが、それでもなおブースターパックを開封するあのドキドキは未だに新鮮に感じる。キラキラのホロ加工が施されたカードが見えた時の高揚感は、幼き頃と何も変わらない。同時に外した時のがっかりも当時のままだ。
思えばカードゲームをやってた頃は、どちらかと言えば実際に対戦するよりも、集めるほうが好きな子供だった。レアカードばかり集めた自身の収集ファイルを、うっとりと眺めていた記憶がある。社会人としてせこせこやっている身になっても、収集癖は子供のころそのまま。
子供のころから好きだった二つのものが合わさった、ポケモンカード。
飽きっぽい私だが、ただ収集するという単調なものだけあって、この趣味はなかなか息が長そうな予感がしている。細く長く続けられたらいいなと思うと同時に、もしいらなくなった時の譲渡先も考えておくべきかな、と妙な心配もしている。