PTA役員のこと その1~秘密の名簿

去年の今頃、晩ごはんを食べてくつろいでいると、自宅に1本の電話がかかってきた。娘の同級生の母親からだった。
「来年度のPTAの役員、やって頂けませんか?」
あまりに唐突な電話だった。
寝耳に水の出来事に、私は断れず、つい引き受けてしまった。誰かがやらなければならないのだろう。それに1回やっておけば次から断れる、という考えもあった。
というわけで、私は今年度、柄にもなくPTA役員をやっていたのでした。
大変な仕事は会長さんや副会長さんなどイケイケのメンバー(略してイケメン(違))がやってくれたので、私はちょこちょこ行事のお手伝いをするぐらいで済んだ。
やっぱ、ああいうのは陽キャでリア充の人(死語ぎみ)がやるべきだわ。最低限、人と話をするのが苦じゃない人がやるべきだ。私は思いっきり向いてないと自覚した。
 
で、なんで去年の役員である娘の同級生のお母さん及び他のメンバーは、私に目をつけたのだろう。
そのお母さんとは特に親しいわけではない。娘の学童保育のお迎えのときたまに顔を合わせたり、家がまあまあ近所で娘がたまにそこの息子さんと一緒に遊んだりしてたくらいだ。
あ、夏休みのプール監視当番で一緒になったな。その時、プール四隅のうち1箇所しか日陰がなくて、「時間決めてローテーションしませんか?」って、私にしては珍しく積極的に提案したことあったな。単に暑いの嫌いだから、みんなも嫌かろう(いやかろう=間違ってる日本語だけどそこはリズムで)と思って。
そのせい?
 
そのせいであるにしろないにしろ、そのお母さんが私の電話番号を知っているわけがないので、学校が用意した名簿を使ったのだろう。個人情報の使い方として致し方ないことである。
 
今年度、自分が役員になり、その名簿を見た。
 
な、なんじゃこりゃ~~~~~~~(ズッキューーーン)!!!!!!!
 
その名簿は、情報量が多過ぎた。
担当の先生が「マル秘ですよ」とは言ってたけど、「こんなもん出すな」というレベルでいろんなことが書いてあった。
住所や自宅の電話番号までならいい。父母の携帯番号も、現代なら必要だろう。
父母の名前と勤め先が、くっきり書いてあったのだ。
父または母がいない場合、そこは空欄である。
ダメだよ先生、そんな名簿出しちゃ。
「他人に興味がない」と言いつつ他人のステータスに下衆な興味がある私のような人間は、そんな名簿、凝視じゃん。ジロジロ見るに決まってるじゃん。同級生の父母の勤め先とかめっちゃ気になるに決まってんじゃーーーーんんんん!!!!!!
……すみませんね。私、下衆なんですよ。みんなもそんなんあったら見ちゃいません?見ちゃうでしょ(得意の責任転嫁)?
あそこの家はおとうさんがいないんだなーとか、おとうさんがいるのにおかあさんの勤め先しか書いてないなーとか、全体的に町の工業団地系の人多いなーとか、自営業も多いなーとか、おかあさんが働いてない場合はその欄に「無」って書かれてるなーとか、こうして見ると働いてるおかあさん結構多いな、いいぞ、とか。
そんなことが丸わかりさ。
もしかしたら、その名簿の情報で「この家はマトモそうだね」と判断された結果、私に白羽の矢が立った可能性が有る。でもなんとなく、プール当番の日陰ローテーション事件と、他の役員に私の顔見知りがいた関係で、流れてきたような気もする。
 
ところで、その名簿は少数の役員だけが特権的に見られるものだと思った方は、田舎をナメている。
 
田舎の学校はな。人数が少ないから、みんなが最低1回は何らかの役員に当たっちゃうんだぜ。
私が見た情報量の多い名簿、みんなが最低1回は見るってことだぜ。みーんな見てんの。みーんな。
 
私は田舎が嫌で田舎から飛び出したはずなのに、なんで同じような田舎に住んでしまったんだろう。
いや、それは正確ではない。田舎それ自体はそんなに嫌じゃないんだけど、「地元」が嫌いなんだ。
 
後編に続く。
※後編の方が軽い話になる予定。