趣味は読書

 趣味は何かと問われて、いつも「読書」と答えるが。実は読書の量はそれほど多いわけではない。一応買う事は買って、読み始めるが、ほとんど途中で放り投げてしまう。実際去年でも完読したのは20冊あるかないか。その10倍は買ってはいるが。
 若いころから何度も何度も最後まで読もうとして、弾き飛ばされた本がある。名作と言われる、世界の文学だ。「カラマーゾフの兄弟」とか「戦争と平和」とか「レ・ミゼラブル」とかは一体どれだけ挑戦して挫折したか知れない。完読できないのは面白くないからだと思っていたが、ああいう名作は最後まで読まなければ面白くない。途中で放り投げれば面白くないよ、と文学通らしい上司にかつて言われたことがある。
 50代も終わりになり、もう一度これら名作に挑戦しようかと思っている。こういう世界の名作は若いころ読まなくてはいけない、年食ってから読んでも、たとえ最後まで読み切れても面白くないし、得るものも少ないと誰かが書いたのを見たことがある。そうかもしれない。しかし新しい小説は今、読んでも読み切れないだろうし、これ以上読んでいない本が増えても家人に嫌味を言われるだけだから、家にある若いころ読もうとして挫折した世界の名作を読んでみようと思う。もしかしたら今度は読み切れるかもしれないし、得るものもあるかもしれない。
 趣味は読書と言っているが、実際読んだ本は本当の読書家から見れば微々たるものだ。しかし若いころ読もうとして完読できなかったことを悔しく思い、この年になってもう一度挑戦しようと考えるだけでも「趣味は読書」と人に言う資格はあるのかもしれない。