特別

あなたはたしかに特別だった。
今までの人と違う空気感をまとい、みるみるうちに惹かれていった。
出会った頃は「彼氏(彼女)はつくる気は全くない」そんな話をしていた。
もうあなたは覚えていないのかもしれない。
あなたは臆病でわたしに触れることさえも躊躇っていた最初。
車の中で触れることなくただただお互いにすきな曲を爆音で聴いていた。
手を繋ぐこともキスをすることもなかった半年。もちろんそれ以上だってなにもなかった。
徐々にスキンシップがあらわれてわたしは初めて手を繋いだ時緊張がおさまらなかった。
キスをした時も同じ。
少しずつ少しずつ探るかのように積み重ねていった。
付き合ったのは彼のお誕生日の4日前。
手作りのお菓子の詰め合わせを「美味しい、美味しい」と食べてくれた笑顔はまだ残ってる。
そしてバレンタイン。
彼はなんにも気づかなかった。
きっとそういうことに無縁だったのかな。
そして初めてのホワイトデーはわたしから「今日何の日か知ってる?」と。
慌ててコンビニに行く彼が愛おしかった。
コンビニだからそんなたいしたものはなくて「なにがいい?」って。
彼らしいなあ、って思った。
結局グミとお茶を買ってもらってそのまま夜景を見にいった。
誰もいない公園。
夜中に行って少し高台みたいなところだったから綺麗な夜景がみれた。
とても綺麗だった。
遊具で遊んだり、彼のお友達のラーメン屋さんに行ったり。
そして2、3ヶ月経ったある日、わたしの父と母が来ていることを知って「挨拶をしたい」と聞かない彼。
嬉しかったよ。
父も母もびっくりしてた。
何よりわたしがびっくりしていたのかもしれない。
でもね、本当に本当に嬉しかったんだ。
見た目はきっとやんちゃそうに見えたのかもしれない。
でもちゃんと向き合おうとしてくれている気持ちだけは伝わったよ。
ありがとう。
離れて暮らしている父と母は少し安心した様子だった。
ねぇ、なんでわたしを選んでくれたの?
彼女はつくらないってあれだけ言っていたのに今でも不思議。
それから病気が発覚してわたしは遠距離が怖くて別れを切り出した。
でも結局それは受け入れられなくて2年間の遠距離が始まった。
わたしは体調がいいときは彼のところへ遊びに行った。
病名を宣告されたときわたしはわたしがわたしじゃないようなそんな気がした。
わたしがこんな病気になるなんて、、、って。
でも彼にとって病気なんてたいしたことなかったんだね。
そしてわたしは彼にとことんはまっていった。
色んなことしたね。
あなたは優しくていつもわたしのしたいことに付き合ってくれた。