憧れのお父さん像

運動会の季節になってきた。


「今週末は仕事に出れん!子供の運動会だ。
脚立担いで行くんだ!」

入社前から子供がいた一つ上の先輩社員は言う。いいお父さんだなといつも思う。

「中学の次男坊が、次高校受験なんや。」

20歳程年上の課長が言う。
お腹は出てて、髪の毛もうっすら、
顔はいかついけどチャーミングでおもしろい課長。いつも話すと長くなってしまう。

子供の受験する高校巡りに一緒に行ったりするらしい。いいオヤジだなと思う。

私の父は、子供には無関心な人だった。

学校行事に来たことなんてなかった。

そういう時代だったのかもしれない。
父親が授業参観に来てる友達は確かに少なかった。

でも、やっぱり私の父は子供に無関心だったと思う。
少年野球をしていた時、所属していたチームが地区優勝して、金メダルを持って帰った。

当時、補欠メンバーだったとはいえ、嬉しくて父に見せた時、

「レギュラーじゃなければ、そんなもんもらっても意味がないやろう。」

と言われ、嬉しい気持ちが一気に萎えた。

私が小学5年生になった時から、
父は仕事で単身赴任し、
次に一緒に生活したのは高校3年だった。

大学に入ると、私が家に帰らない日々で
父が家にいたのかさえ覚えていない。

就職してからは独り暮らしを始めたので、
一緒に生活したのは今までにおよそ10年ぐらい。父親がどういう人かよくわからない。

社会人として全うに働いていたのだから、
全うな人なんだとは思うし、
精いっぱい働いて稼いで
ここまで大きくしてくれたんだろうが、
なにも想い入れがない人。

それが私の父親。

別にそれがどうとも今更思わない。

私は子供が出来てから、
子供のことばっかり。

泣いて眠らない日は、
ソファで朝まで抱っこして

妻が育児だけで手一杯で、
「ご飯なんか作れない」って嘆いた時は
帰ってきてから翌日のご飯を仕込んで
タッパーにつめておく日々を過ごし

離乳食が始まったら
片っ端からチンしてすり潰した。

今は新しいことを教えたり、遊んだり
楽しい限りなんだ。

最近の娘は、じゃんけんもできるし
歌も歌って踊れるんだ。

来年、娘が2年保育で幼稚園に入る。

まだ、幼稚園決まっていないけど。
妻が下の娘も連れてがんばって説明会に行ってくれている。

この前行った幼稚園の体験会では、
運動会の玉入れをさせてもらったらしい。

妻が
「娘ちゃんは、七つも入れたんだよ。」
ってちゃんと数えておいて教えてくれた。

来年の今頃は運動会。

運動会で子供を応援するとか
授業参観に行くとか
すごく些細でちっぽけだけど
私の憧れのお父さん像なんだ。

自分がそんな憧れのお父さんになれるか
もうすぐそこまで来ている。

娘がかけっこしてる姿を見たら、
私は泣いてしまうかもしれない。

今から想像するだけで、
ズズって鼻をすすってしまうんだ。

#MVN