好きだと言われていたならば

僕のことを好きだという女の子がいると知ったのは小学校6年生の時だった。夏川さん(仮名)という子である。
夏川さんは、家が近いというのもあり、小学校低学年ごろから仲が良い子だった。
ちなみに、この夏川さんは先日書いたこちら↓のノートに出てくる、落書きの隣に自分の名前をしっかり書いちゃった子である。ちょっと変わっているがとてもいい子だった。
どこからどうやって情報が流れたか、夏川さんが僕のことを好きだというのを噂で知ったのである。
幼稚園の時のモテ期以来、全くモテてこなかった僕は、半信半疑であったが、意識をして夏川さんを見ていると、「もしかしたら本当に好きなのでは?」と思う言動がいくつか確認できた。モテない僕はそれはもう嬉しかった。まだ確証が得られない段階にもかかわらず、僕は夏川さんのことが少し気になりだしてしまった。
しかしながら、当時の僕は岡川さん(仮名)という別の女の子が好きだったため、どうしたものかと非常に迷ったのである。
まだ夏川さんに告白された訳でも、岡川さんに告白した訳でもないのに、めちゃくちゃモテる奴かのごとく1人悩んでいた。ちょっとアホである。
夏川さんは、おとなしくて引っ込み思案な性格だったため、その後も絶対の確証はなかなか得られることは無く、ズルズルと時間が過ぎていった。
小学校卒業までにどちらも何もすることないまま、中学に入ってすぐ夏川さんは転校をしてしまった。
少しの間手紙をやり取りをしてはいたものの、結局お互い何もいうことなく手紙さえ途絶えてしまった。その後連絡は一切取っていない。
本当に夏川さんは僕のことを好きだったのか、今ではもうわからない。あの時直接好きだと言われていたならば僕はどうしていただろうか。自分の気持ちさえもう分からないが、ちょっぴり甘酸っぱい思い出である。