父親とは

父が生活費を半分しか入れなかった。
母は元々専業主婦で、現在はパートで働いているものの、特殊な職種の為勤務時間が短く、その収入は微々たるものである。
そんな中の、父の暴挙であった。
お金がない。
そう言って、突然家族は非常に苦しい生活を強いられた。
父は本職の他にアルバイトも掛け持ちしている。
それなのに、だ。
お気楽な人間は、何処まで行ってもお気楽なのである。
お気楽、という言葉で柔らかく表現したが、実際のところ"その日暮らし"なのだ。
毎月日用品を買うのにどのくらいのお金がかかるのか。
それさえも父は知らず、まるで知ろうともしないのだ。
その上、突然生活費を減らす。
これは今に始まったことではない。
母が自転車操業で何とか持ち直しているようなもので、母がいなければ既に破綻している。
父が独身であれば、どうぞご勝手にとでも言うだろうが、現実は一家の大黒柱。
それなりの責任を持たなければならないはずだ。
改善なんて、しようとも思っていない。
"今回も何とかしてくれるだろう"そう思っているのが、態度から透けて見える。
消えたお金の行方だって、一切口にしないのだ。
皺寄せは、結局子供の自分に降り掛かってくる。
毎日母の口から吹き出るのは父の愚痴。
親にお金を貸して欲しい、と懇願される惨めさは何とも形容し難い。
父親という自覚を持つことさえも、父には難しいのだろうか。
自分はそんな家庭に育ち、結婚には全くと言って良い程魅力を感じなくなっていた。
自分のような苦しい思いをする子供がこれ以上増えないよう、日々祈るばかりだ。