痴漢を受ける恐怖

痴漢抑止用の「泣き寝入りしませんバッチ」を応援したい気持ちと、
痴漢被害は性的魅力の自慢のように言われがちなのでそれは違うよ、という思いをこめて投稿します。
世の中には女性の中にも痴漢にあいやすい人とそうでない人がおりまして、
私はそうでない人です。
毎日電車通勤をしていますが、いまだ接触系の痴漢はゼロ。
男友達には「わー、残念だね。ドンマイw俺の彼女はたまに痴漢にあうみたいよ。」とからかわれ、
かつては私も「ぺったんこ系だからね…」と軽く侮辱を受けたような気持ちになっていたんですが、先日、局部露出系の痴漢に遭遇して、痴漢にあうってそんなもんじゃないんだと身にしみました。
ある朝、通勤列車の座席に座っていたところ、目の前の通路に男の人が立ちました。
私の膝が相手の脚に当たりそうなほど距離が近かったので、やや不思議に思いつつも、車内が混んでいるとそういうこともあるので、私はいつもどおりSNSチェックに勤しんでいました。
しばらくすると、男の人のジャケットの裾がパタパタと仰ぐように揺れているのが目の端に入ってきました。
チラと目線を上に上げると、男の人がジャケットのポケットに手を突っ込んで裾を揺らしていたんですよ。
そしてその少し下、ジャケットの裾で隠れるか隠れないかのズボンのチャックのあたりに、いわゆる「局部」が露出されていたんです。
この男の人は、おそらく、最初からこっそりと露出していたんだけれども、なかなか私が気が付かなかったから、ジャケットを揺らすことによって、気付けよ、とアピールしていたんです。
それに気がついた時、性的に「嫌だ」とか「気持ち悪い」とかよりも先に、
おかしい人に遭遇してしまった「怖さ」で身体がいっぱいになりました。
その時、私は右隅の席に座っており、すぐ左隣は空席。
ジャケットで隠しているから、他の人はたぶん気がついていない…。
今すぐ声を上げて立ち上がって逃げ出したいけど、この痴漢が覆いかぶさってきたり、追いかけてきたりしたらものすごく怖い。それに、うっかりでも局部に触りたくない。
となると、駅に着いた瞬間をねらってすり抜けて逃げるのが一番だろうか。
それにしてもこの人を糾弾せず、逃がしていいものなんだろうか。
素早く席を離れて「この人、痴漢です!」って言えばいいんだろうか。
せめて傘を持っていたら攻撃されても防御できるのに…と、一瞬のうちに色々と考えました。
必死に平静を装い、SNSチェックのふりを続けながらも恐怖で身体は固まってしまいました。
すると次の駅に着いた時、痴漢の方から電車を降りて行きました。
私が狼狽したことに満足したのか、それとも私の気がつかないフリが功を奏して諦めたのかはわかりません。
痴漢がいなくなると、襲いかかって来られなくて本当に良かった、と安堵すると同時に何もできなかった自分の無力さに悔しくて涙が出てきました。
できれば捕まえたかった。でも、さらなる危害が加えられる可能性ばかり考えてしまって、怖くて怖くて何もできなかった。
同僚には「スマホで証拠を撮影すればいいんだよ」とか「小さくて気づかねえわ!って言ってやればショックを受けてもう二度としないよ」と、アドバイスをくれたり励ましてくれる人もいたけれど、それを一緒に笑う余裕がないくらい、恐怖と悔しさを刻みつけられた出来事でした。
痴漢は暴力なんですよね。
そして暴力を受けたという被害報告が、「俺、強そうだから喧嘩ふっかけられちゃったよ。ツレーヨ。」という「強そう自慢」であるケースは殆ど無い(ゼロとは言わないけれど、殆ど無いと言っていいかと)のと同じように、痴漢の被害報告は「性的魅力の自慢」では無いんです。
「性的魅力の自慢」なんて比較に出すこともできないほど、圧倒的な犯罪に対する恐怖体験であるということを、たった1回で思い知りました。
だから、今悩んでいる人は特に、痴漢抑止は自意識過剰だとかの心ない声には負けず、予防できるに越したことは無い!って強い気持ちを持ってほしいなと思います。