なんだかインスタントやな、まいこち... by まいこ | ShortNote

なんだかインスタントやな、まいこちゃん怒ってもいいんやで。
事の成り行きを散々愚痴った後に友人はそう言ってくれた。もうだめだ、頭がぐちゃぐちゃで1人で抱えていたくない、誰かに笑い飛ばしてほしい、というわけで友人に連絡したら、道を踏み外しまくっているわたしでいいなら、と彼女はすぐに予定を取り付けてくれた。持つべきものは友である。彼と同じ界隈の友人たちは、そもそも彼が離婚したことも知らないし、彼の名誉と今後のためにも、全く異なるフィールドでぶちまけるべきだろう。
今まで良い人だと思っていたから、しょうもない人だと思いたくないんです、とわたしは言った。しかし、後からよくよく考えると、友人の言葉はすとんと心に落ちてきた。離婚した直後に言い寄ってくるなんて、それは確かに怒ってもいいことなのだ。彼は良い人だったから、とても辛いことがあったのだから、と思うけれど、それは彼の事情であって、わたしが軽んじられていることに変わりはないじゃないか。ホールデン・コールフィールドもそんなことを言っていた、そういえば。どんなトラウマがあったって、どうしようもない奴であることは変わらないって。
イケメンに言い寄られて困ってるの、などという浮かれた相談だと思われなくて良かった。怒ってもいい、そうだ、その通りだ。だいたい、わたしが悲しいのは、気まずくなって会えなくなっても、彼にとってはどうでもいいのだ、という事実である。所詮大多数の中の1人に過ぎないわけだ。酷いじゃないか。
彼自身はめっちゃ誠実なつもりなんやろな。今は心からそう思ってるわけやろうし。
今は、という部分が重要である。他人には、今現在の真摯さ以外を求めるべきではない、とわたしは思う。全然関係ないけど、これはジョン・トーランドのヒトラー伝を読んだおかげで心からそう思うようになった。これまでに読んだ中で、わたしが強く影響を受けた本だと思う。とにかく、その時彼は真剣にそう思っていたのだ、ということで決着をつけようではないか、と思う。怒ってもいい、でも怒らなかったわたしは偉い。いつか彼が我に返ったときに感謝してもらいたい。
それにしても、ちょっと好意を向けられたからといってわたしのこの動揺ぶり、世の中の女性たちは心が強いなと思う。わたしはあまり人を好きにならないから、簡単に好意を示す人が理解できない。理解できないものは少し怖い。今日は空が青くて雲が白くて、気持ちの良い天気だ。彼は休日だから山に行っているだろうと思うと羨ましい。そう思えることにほっとする。