世界の終わりより



サンティアゴ巡礼の締めくくりに、昔の人が世界の終わりと信じたフィステーラまで歩いて来ました。
四国88ヶ所における、高野山詣りみたいなものです。

ここでずいぶん昔に別れた巡礼者たちと奇跡的に再会しましたが、本来ならいるはずのドミニク君がいないのが残念でなりません。
ドミニク君を知っている人が必ずわたしに彼はどこなの?一緒じゃないの?と聞いてくるもので、彼が巡礼を終えた話を1からしなくちゃならないのが苦痛です。
3週間前に別れた子にもドミニク君と一緒じゃないの?と聞かれ(そもそも何でそんなに長い期間一緒だと思うのかしら?通常ありえません)、途中バスを使った子が1日遅れだったドミニク君に再会してて、「何で待ってあげなかったの!」って責められたり…

彼とはまだ毎日メールしてます。
でもわたしの巡礼は終わったので、これから彼との共通の話題がないのでどうしたものかと頭を悩ませてます。
ま、なるようになります。
彼とはこのまま切れる気がしません。

突発的な事情がドミニク君に降りかかって彼が巡礼を終える1時間前に、突然わたしに貝殻をくれました。
北の道の海岸で彼が前に拾った白くて小さな貝殻です。
「キミに持っててほしいんだ」
今まで何日も一緒にいたのに、そして予定ではまだ一緒のはずなのになぜ今?
と思いました。
こういう直感って当たりますよね。

だからわたしは、彼がくれた貝殻のお返しに、彼が来れなかったフィステーラで貝殻を拾いました。
彼は世界の終わりを見るためにまたカミーノを歩きたいと言っているので、そのときに、どうかバックパックに付けてほしいと思って。
きっとこの貝殻が、彼を無事にフィステーラまで導いてくれると思うから。

聖地サンティアゴで彼がわたしにくれた貝殻と、フィステーラで彼のために拾った貝殻をこの旅の最大の宝物にしたいと思います。
いつか会える日まで、大切に持っていることにします。




前回の19年前の巡礼は、現地の人にたくさん助けられてとーっても貴重な経験をしました。
でも今回はたくさんの巡礼者に囲まれて、いつも誰かがいてくれて、素敵な人たちにたくさん出会えました。
巡礼は自分との戦いだと思ってましたが、今回は人との絆を感じるものでした。

終わってみればまったく違う二つの巡礼に甲乙は付けられません。
別れと再会に何度も涙しました。

来て良かったと思います。
再びかけがえのない経験ができたと思います。




昨日は世界の終わりにある灯台で、沈みゆく太陽を見ながら皆でワインを飲みました。
ここまでこれたことを祝うとともに、来れなかった人にも乾杯しました。

今日はみんなで夕日が見える海岸まで行って、持ち物を燃やします。
これも昔からの習慣です。
中世の巡礼者はフィステーラで貝殻を拾い、衣服や持ち物を燃やしたんです。

そして明日、わたしはフィステーラをあとにしてバスでサンティアゴに戻り、そのままポルトガルに向かう予定です。

サンティアゴ巡礼2017、これにて終了。