わたしの恋愛事情は混迷を極めている... by まいこ | ShortNote

わたしの恋愛事情は混迷を極めている。自業自得だが、恋愛と登山とを一緒くたにしたことによって、いよいよ混乱している。なんだかもう、全てを放り投げてしまいたいぜ、という気分である。
そもそも、Sさんを好きだということ自体、憧れと恋愛と甘えをごっちゃにした曖昧なものだという自覚があった。どうせ叶わないものなら誰に迷惑をかけるでなし、自分が楽しいならそれでいいじゃないか、という「面倒なこと後回し主義」により、グレーゾーンに放り込んでいた。そこにもってきて、大型犬的彼、Mさんと仮称しよう、の登場により、わたしは否が応でもこの問題を引っ張り出さなければならなくなってしまった。吹っ切れたMさんはゴールデンレトリーバーの如く、なんだかキラキラしていて眩しい。私が投げたヘッポコのボールを、猛ダッシュで拾ってくる感じがある。止めてくれ、そんな真っ直ぐに走ってこないでくれ、わたしは飼い主に相応しい人間なんかじゃないんだ…。
同じ登山でもあなたとは目指すものが違う、わたしはSさんに追いつきたいんだ、それに誰かに待たれるのは性に合わない。技術が足りなくてSさんと一緒に山に行けなかったことが悔しい、という話をしたら、そんなにそいつが好きなんやな、考えないようにしてたのに、なんだかもやもやするわ、とMさんは落ち込んだ様子をしていた。正直にそう言われると、なんだか申し訳なくなってしまう。ところがその翌日、わかった、山にはおれが一緒に行く!という想像の斜め上をいく回答が返ってきた。クライミングを教えてもらうのももう頼んであるんや、早速来週行ってくる!
ちょ、ちょっと待ってくれ。展開が早すぎてついていけない。そんな気持ちで始めていいものなのか?だがしかし、既に一定の技術があって、体力があり運動神経も良い彼のことだ、上達するのはあっという間に違いない。置いていかれるのはわたしの方である。うそやん。まいこが行くなら、というスタンスでついてこられるのは嫌いなはずだったのに、清々しいほど迷いがなくて、逆に感心してしまう。
流されている、大いに流されているぞ、わたしは。もう好きになってくれた人を好きになるのはやめよう、と決意しているのに。その決意を思い出している時点で、だいぶ流されている。
ああ、安寧が欲しい。