企画制作会社にパートさんを雇うまで(2)

一度話を聞いてみたいと言ってくれた人は、制作会社を結婚退職、今は事務職パートをされているという。今の仕事に不満はないけれども、この業界に復帰できる可能性に興味を持ってくれた。
今の業界の状況、考えていることを正直に話すと、働きたいと言ってくれた。ただしお子さんが大きくなるまでは「16時半まで」という条件。これでは難しいですよね、と言われた。
正直難しい、と最初は思った。じつは私の中に、主婦の人でも18時ぐらいまでは大丈夫じゃないかという決めつけがあった。16時半ならお客先はまだ定時内。その時間から始まる仕事もある。
でも、と考えた。16時半から18時までに絶対にしないといけない仕事はどれほどあるのか。夜遅いのが当たり前で、徹夜のち半休状態の日もある。午前中に前倒しにすることは本当にできないのか。夕方以降の打ち合わせを、こちらが希望してしまってるところはないか。
私自身、うやむやにしてきたことが見えてきた。深夜にするしかない仕事は確かに時々ある。でもそのことが翌日の時間を圧迫してずれこんだ結果、朝でもできる仕事が夜に回り、悪循環となっていることの方が多い。例えば、どうしようもない深夜仕事をした翌日の朝をサポートしてもらえるなら、悪循環の改善につながらないか。
それと別で、わたしは女性の働き方についての最近の世の中の流れに、疑問に思っていることがあった。
たとえば管理職を増やすという国策。非正規雇用を女性蔑視とする風潮。
働きたい女性=管理職を目指すバリバリのキャリアウーマンということになっているけれど、本当にそう?
家族との時間も大切にしたい、限られた時間でがんばりたい、働きたい女性の中にそう考える人もいる。むしろ多いように思う。そういう人たちにとっての「働きやすさ」は、男性と同じように深夜まで頑張れること、出世すること、ではないはず。
それに男性にだって、仕事よりも家族との時間を優先して働きたい人もいるだろう。週3日勤務というワークスタイルが話題になっているとも聞いた。そういう時代じゃないの?
考えれば考えるほど、「16時半まで」でも働ける会社にしたい、と強く思うようになった。
まずは社長の説得を試みた。
私の考えていることをそのまま言うと「働きたいと考えている女性にも色々いる」ということにまず驚かれた。社長は40代でそれほど古いタイプではない。それでもそんなものなのだなと思った。
そしてその後に社長は、ワーキングママを支援する活動をしている方から、私とほとんど同じ発言を聞いたという。(不思議なもので、この時期に偶然そういう関係の仕事が入ってきた)私は直接お会いしていないけれど、社長が私の考えを伝えると、とても素晴らしい試みだと言ってくださった。
そのことに助けられるようにして、「そういうワークスタイルで女性が働いているということは、うちのイメージアップにもなると思います」とも言った。
社長の説得はほぼ成功した。
ただし問題がまだ残っていることを指摘された。「夕方から夜の業務をどうするか」そして「他の社員は納得しているのか」。
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