共に映画を観るチーム

映画を観に行ってきた。噂の『万引き家族』だ。手帳の「18:00〜 万引き」の文字を見てふふっと笑った。多分、日本のあちこちで同じように笑っている人がいると思う。
私はああいった映画が大好きだから、今もじんわりとその良さの余韻に浸っている。ただ、賞獲ったらしいぞ!いっちょ観てみるか!大好きな映画はマッドマックス!みたいな人は「???」ってなっちゃいそうだな、とも思った。
さて、内容についてはここまで。本題は、映画館での映画鑑賞についてだ。
私はジブリと三谷幸喜の映画は必ず映画館で観ると決めている。それ以外の映画を観に行くのは、家族や友達に誘われた時か、何もかもが嫌になって大暴れしそうになった時だ。今回がどのケースなのかは察していただきたい。
座席は真ん中あたりで、Hより後ろと決めている。飲食はしない。せいぜい2時間程度なんだから、集中力のない私みたいな者は黙って手はお膝で観ておけ、ということだ。
こだわり条件を全て満たせれば万事OKかというと、そうではない。一緒に映画を観るチームの様子を窺う必要がある。
今日はあまり運が良くなかった。いちいち笑うじいさんがいたからだ。ポスターでも宣伝でも、ちらとでも見た方ならお分かりかと思うが、あの映画、そんなにワハワハ笑うシーンはない。
万引き家族みたいな映画では、空気感が非常に重要だと思う。台詞の後のちょっとした間だったり、話し始める前の息を吸うところだったりが、映画全体の重量感、芳醇さ、奥ゆかしさなんかを形作るような気がするのだ。
それをよ、あのじいさん。ハハハ!じゃないよと。パルムドールもじいさんの笑い声なんて想定してないんだぞと。
映画を観る時は完璧に作品だけを楽しみたいのに、あのようなじいさんがチームにいては困るわけだ。しかし注意をするような距離でもなかったし、おそらく近くてもなかなかできるものではないだろう。
これまでもさまざまなチームメイトに悩まされてきた。声に出して分析をしだす小学生、お話が止まらない奥様方、座席を猛キックするお子ちゃま……。
映画館に監督はいない。キャプテンもいない。だからこそ、共に映画を観ようというチームなのだから、各々がチームの一員であることを自覚し、試合(鑑賞)に臨んでもらいたいものだ。